2017年08月28日

欧州見聞録6日目〜競馬の聖地・ニューマーケット〜


競馬ファンの方々で一度は北海道に行ったことがある、という人は多いと思います。

そして牧場で北海道の雄大な自然に圧倒された、そういう経験があるのではないでしょうか。

僕もあります。

でもその光景が大したことなく思えてしまう、そんな光景が世界にはありました。

6日目はそんな話です。




さて、6日目。




1日目
欧州見聞録1日目〜北京は広いよどこまでも〜
http://ouma-keiba.seesaa.net/article/452476475.html

2日目
欧州見聞録2日目〜無職inパリ〜
http://ouma-keiba.seesaa.net/article/452476967.html

3日目
欧州見聞録3日目〜ペリエという日本人〜
http://ouma-keiba.seesaa.net/article/452691011.html

4日目
欧州見聞録4日目〜アレ・クリストフちゃんとの邂逅〜
http://ouma-keiba.seesaa.net/article/452846110.html

5日目
欧州見聞録5日目〜パリの空の下、無職は歩く〜
http://ouma-keiba.seesaa.net/article/453052285.html



5日目分かったことは、『実家の小動物は犬ではない



皆様、長らくお待たせいたしました。
ようやくイギリスに移動です。


今回ヨーロッパに競馬の勉強に行くと決めた後、これが関係各所でちょっとだけ話題になった。
どこに行くかもよく聞かれたね。


まず最初に決めていたのが、

ニューマーケットに行く

これ。


出発前に書いたブログ、
そんな感じでヨーロッパ
http://ouma-keiba.seesaa.net/article/451897623.html

で書いた、社台ファームの方々の『今ヨーロッパに行くことに意味がある』という言葉。
これには続きがあって、『ニューマーケットに行きなさい』という話があった。


競馬が生まれた街、ニューマーケット。
ずっと前からボンヤリとした憧れはあったけど、ホースマンの方々に『今行きなさい』と言われたらね、行くしかないでしょう。




『ネイマール、パリサンジェルマンに移籍か?』というニュースを見ながら、朝食にサンドイッチを掻き込み、ホテル出発。
だってサンドイッチおいしいんだもん。
同じコンビニに売ってあるサンドイッチでも、日本より圧倒的においしい。


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ホテルの皆さんと。
こっちは拙い英語しかしゃべれないのに、丁寧に、楽しく接していただき、大変助かりました。


そういえば、こっちのホテルはエレベーターに『閉』ボタンがない。
パリだけかと思ったら、ロンドンもそうだった。
閉まるまで待たないといけない。



そんな話はまあいいとして、スーツケースをガラガラ引っ張りながら駅に移動。
ホテルをリヨン駅の近くにしておいて本当に良かった。
大体の場所はどこでも1本で行けてしまう便利さ。

パリの駅はエレベーターがない場所がほとんど。
エスカレーターもない。
階段をスーツケース持ってずっと移動するのは骨だし、乗換は大変。そういう意味でリヨンはオススメ。



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パリの北方面への玄関、パリ北駅。
ガイドブックで『駅の外は治安が良くない』と書いてあったから、試しに歩いてみる。
2、3分で5、6人に声掛けられたかな。
勝手に荷物持って金請求する男もいるらしいけど、なるほど、確かにそんな空気だ。


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なんかテレビでやってるヨーロッパの駅ってこういう感じだよね。


パリ北駅内で行われるイギリスへの入国審査が時間掛かると聞いていた分、余裕を持って移動。
これは結構その通りで、本当に時間が掛かる。

キップなんてそれこそ自動検札にバーコード当てればすぐ終わる。
問題はその後。入国カード書いて渡したのに同じことを聞かれるし、イギリスで滞在するホテルの情報や帰りの飛行機のチケットなどを念入りにチェックされる。

ゆっくり言ってくれれば分かるけど、審査担当のおばちゃんが早口で、訛りのある英語で聞いてきた分余計に聞き取れなかった。

手荷物検査も念入り。金属探知機も厳しい。よくこんなに厳しくやってるのにテロ起きるな。

探知犬がかわいかったのもここに記しておきたい。



ユーロスターを待つ間、大井競馬に興じる無職。
的場文男さん60歳がサンタアニタトロフィーを豪快に勝利しガッツポーズ。
これ見られていたら、イギリスへの入国を拒否されていたかも分からんね。


待ってる間に隣に座っていたイギリス人のおばちゃんとおしゃべり。
何度も書くけど、俺は英語が全然しゃべれない。
その割には何とかなる。
フランス人のおばちゃんたちとも何だかんだコミュニケーション取れたし、英語しゃべれなくても単語繋げれば意外といける。


おばちゃん『どこ行くの?』
無職『ニューマーケットやねん』
おばちゃん『馬を観に行くんでしょう!』


有名なんだな(それはそう)
でもイギリスの競馬ファンが行く場所ではないらしい。日本の競馬ファンが北海道に行く、ああいう感覚ではないらしい。



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ユーロスターは思っていたものと違った。
もっとこう、そうだ、新幹線的なイメージだった。

確かに新幹線っぽいんだけど、車内の雰囲気は普通の特急。
車内にモニターあったりと、飛行機に近い部分もある。

モニターにはユーロスターのCMと、過去の最高速度がずっと流れている。
なんでユーロスターの車内でユーロスターのCM見ないといかんのだ。


『地下空間が多い』と聞いていたけど、全然そんなことはない。
ずーっと田園地帯の真ん中を走るユーロスター。
変わり映えしない光景。初めてだったから面白かったんだろうね。2度目からはたぶん相当つまらないと思う。


ドーバー海峡の下を通る時も、何かしらアナウンスがあると思っていた。

ない。

ベルギー側から来た線路と合流したあたりでそろそろカレーか…と思っていたら、すぐにトンネル。
やけに長い。
ああ、これがドーバートンネルね。
まったくアナウンスなし。


『あのドーバー海峡横断部が、あの神尾米が苦労して渡った、あのドーバー海峡の下を通っています!』くらいのアナウンスがあってもいいと、俺は思うんだ。

それこそ10分ちょっとでトンネル終わり。全然ドーバー感なかった。

トンネル出て、車窓から左車線の道路が見えた時、ああ、イギリスに来たんだと思ったね。

しかしイギリス、何もない。家が見当たらない。



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ロンドン・セントパンクラス駅に到着。

着いて最初に思ったことは、うん、イギリスのほうが全然治安いいね。
雰囲気が違う。


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うわぁ、ロンドンだ…


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セントパンクラス駅の隣、キングスクロス駅から英国・ナショナルレールで北へ。

キングスクロス駅の9番線と10番線の間には…そうですね、9と4分の3番線が…

ない。

ホームの間には壁自体存在しなかった。
脇に写真撮影用スポットがあったものの、8番線と9番線の間。なんだか違う。



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ロンドンから10分ちょっと。すでにこれからどこへ連れていかれるんですか感満載。
首都から出て10分で周りに羊が歩いてる。

日本だと東京出て10分、まだ品川なんだけど。


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頭の中に、『世界の車窓から』のテーマ音楽が流れてくる。

『世界の車窓から…今日はロンドンを出発します…』頭の中に流れてくる、石丸謙二郎氏の声。

自然と口調も石丸謙二郎氏に似てくる。

この番組は富士通の提供でお送りします。(ここから先は石丸謙二郎風ナレーションでお楽しみください)


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午後19時。まだ明るい空のイギリス・ケンブリッジです。

ホームにはケンブリッジ大学の学生らしい若者が電車を待っています。

若者の肩には『武神』というタトゥー。日本への不思議な憧れを感じることができます。

ケンブリッジと、英国東部の港町・イプスウィッチを結ぶ電車がやってきました。

午後19時44分。2駅、22分間に及ぶ、ニューマーケットへの旅が始まります…



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石丸謙二郎風のナレーションも終わるころ、競馬の聖地へ到着。

20時05分

自分の競馬史の中に残る時間だ。

駅前にはニューマーケットと近代競馬の歴史のパネルが飾られている。

ついに競馬の聖地に来た、そういう実感が湧いてくる。



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セリ好きにとっての聖地・タタソールズのオークションハウスの入口。
数々のレジェンドを輩出した場所。
リチャード・タタソールが創業して、250年。
タタソールズ社のシンボル、キツネのマークを見ただけで感動する。



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英国競馬の中心、英国ジョッキークラブ。
ニューマーケットに本部を構えて265年。
タタソールズ社といい、ジョッキークラブといい、日本では徳川吉宗が生きてたあたりの頃からイギリスで競馬を支えてきた団体。
積み重ねてきた歴史の重みを感じる。



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英国ジョッキークラブ前にあるハイペリオンの像。
今、英国の競馬の中心に、近代競馬が生まれた場所にいる。そう強く思えるシーンの連続。



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さすが近代競馬発祥の地。街の中心部の時計台の風見鶏、よく見たら風見『馬』だ。



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ホテルの中に、近年生まれたチャンピオンホースの絵が飾られている。
『馬の街』という場所は数多く訪れたことがある。静内、新冠、安平、千歳、栗東…

どこにもない空気が、ここにはある。




ニューマーケットと言えば、何と言ってもその広大な調教場。
ウォーレンヒルに代表される調教場は世界中で有名。

ニューマーケット経験者の皆様は、全員口を揃えて言う。

朝のニューマーケット・ウォーレンヒルは最高』だと。



夜21時。外はまだ明るい。

我慢しきれず、ホテルのフロントで『これからウォーレンヒルに行きます!』と言ったら、フロントの女性が言う。『朝が一番いいわよ』と。

こっちの人もみんなそういう認識なんだな。



でも我慢できなかった。
競馬が生まれた街に来て、興奮していた。



ホテルから時計台を通り過ぎて3分ほど。



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もう、ただただ立ち尽くした。

度肝を抜かれる、まさにその言葉の通り。

これがニューマーケット、ウォーレンヒルか。



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スケールが日本とは全然違う。

こんな場所を今まで知らずに競馬をしていたのかと思うと、ただただもったいない、そういう感覚に襲われる。


若いうちに、今、ニューマーケットに行きなさい』という、日本のホースマンの皆様の意見は正しかった。

この光景を見るだけで、自分の競馬に対する概念が変わってくる。

それほどまでにこの光景は圧倒的。



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このニューマーケットという街で近代競馬が発祥したのは、記録によると今から398年前。

自分の競馬歴はまた10数年。

積み重ねられた競馬の歴史、そして競馬を育んできたその環境が、目の前にある。


自分は今まで見てきて、やってきて養われた競馬観を壊すために、ここまで来た。

ここまで来た甲斐があった。

北海道の牧場で広いなぁーとか思っていた今までが一気に吹き飛ぶレベルの光景。



自分はまだ競馬を何も知らないことを、400年競馬と歩んでいる街に教えられた。





スーパーで食材を買い、ホテルに戻るとフロントの女性に、ウォーレンヒルはどうだった?と聞かれる。

最高でしたと答えると、『でも朝はもっといいわよ!』と言われる。


これ以上の光景を見せてくれるの?

これ以上の光景が存在するの?


そう思いながら、ニューマーケット初日の夜が更けていった。
posted by cris at 21:45| Comment(0) | 海外見聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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